「……くっそぉ」
俺はフラフラふらつきながら、立ち上がった。
アイドルである斗愛くんを守ろうとしたにも関わらず、守ろうとした相手に回し蹴りを食らうなんて、誰が想像出来ただろうか。
胸ぐらを掴まれブラブラと宙に浮いた無防備な斗愛くんが、青林さんの腹に足を乗せて、体を回転させるなんて、予想できるはずがないっすよ!!!!いや、よくよく考えてみれば、斗愛くんを助けるなんて考えが、甘かった。
彼は、ウエストウッドドリームの頂点だ。
生粋のアイドル。
毎日毎日、歌やダンスでファンを魅了するアイドルだ。運動神経だって、体力だって、肝っ玉の強さだって、人一倍ある。
そんな彼が、容易く青林さんに胸ぐらを掴まれて、振り回され続けるはずが無い。回し蹴りを食らった青林さんは、地面に伸びていた。当たりどころが悪く、気絶してしまったのかもしれない。
俺は急いで、青林さんの元に駆け寄った。
「青林さん!!!大丈ぶっぺげぇぇーーーーーーっ!!」
「このヒョロガキネズミが、チョロマカ動きやがって!!!!」
両手を振り回して起き上がった青林さんの拳が頬に激突して、俺は弧を描いて吹き飛ばされた。
もう、何なんすか……。
いい加減にしてください。
もう、このまま起き上がるのをやめたい……。
