小悪魔DOLL【Ⅰ】



カラフルな集団が押し合いへし合い、狭い路地裏に殺到する光景を目にして、あたしたちは地面を蹴った。優空のいる大通りに逃げ込んで、優空を交えて走り出す。

「なんか、大事になってるみたいだね」

「お前のせいで、バレちまったじゃねーか!」

「え?俺のせいなの?」

「コレは、秘密兵器を出して、プランBを決行するしかねーな!」

リュックを前に背負って、由依がそう言った。

ガサゴソとリュックの中身を漁って、じゃんじゃじゃーんと効果音をつけて目的のアイテムを取り出した。


「樹理!優空!」

ピンク色の覆面マスクとアクア色の覆面マスクを両者に投げる。樹理が猫のようにジャンプしながら受け取って、優空は受け取ったマスクをまじまじと見つめた。

「あいく!シオン!」

「何、これ……っ!!」

息を切らしながら、先頭を走る由依に向かって叫んだ。顔面に張り付いたマスクを引きはがしたシオンが、ヒーヒー唸って無様な格好で走り続けている。

「覆面!!これで、誰かわからないだろ!!」

バカなの!?

「こんなんしたら、余計目立つじゃない!!それに、なんであたしだけ悪役用のマスクなのよ!!!!」

戦隊ヒーローマスクをすでに装着した三人が振り返った。

変身、早っ!!

「お前は悪役に決まってんだろ!」

「そのブス面、早く隠せよぉ!!」

「俺、似合ってるかな??」

アクアレンジャーがはみ出したハニー色を綺麗にしまいながら、問いかけた。

「知るか!!!」