「おまえっ、夜道歩くときは、背後に気をつけろよぉ!!」
「急に何の心配してんのよ?きも」
「心配してるんじゃない!!脅してるんだよぉっ!!」
樹理がマシュマロ色の髪を逆立てて、奇声を発した。
「静かにしろ!!!」
由依の声が響いたと思えば、真上から隕石が落ちて来たのかと思った。立ち上がってにらみ合っていたあたしと樹理の上にシオンが折り重なって、その上に由依が押さえつけるように体重をのせた。
「……重いぃぃぃぃ」
「ちょっと、どきなさいよっ」
「動けないよぉ!」
「ツルの奴ら、戻って来た。あと、30秒は我慢しろって!」
一番上にいる由依が声を落として言った。
サンドイッチの具になった気分だ。一番下にいる樹理が、小さく呻く。今大声をあげたら、またあの集団に追いかけられることになる。どんなに辛くても、大声を上げる事は許されない。
「あれ?何してるの?」
その声に目を向ければ、ツルとは反対側の大通りから、ハニー色の髪を揺らす王子が涼しい顔して立っていた。何とか口元に人差し指を持って来て「しーっ!!」とジェスチャーをした。1番上に乗っかる由依がカフェオレ色の髪を揺らして、馴染みの声に振り返る。
「優空、バカ!!大声出すな!!」
オメーだよ!!!
下3人が同時に思った時だった。
「YUIJURI発見!!SORAくんもいるーーーーーーっ!!」
クソ犬、バカヤロウ!!!
