小悪魔DOLL【Ⅰ】



そういえば、KANATAにプロポーズしたことが、青木にさっそくバレた。どういう経緯でバレたのかはわからないけど、KANATA禁止という意味のわからない禁止事項まで付け加えられた。

『いいですか?1年間は天使系アイドルとして活動するんです!それなのに、何を勝手に結婚しようとしてるんですか!』

『青木、バカなの?あたしは何の為にアイドルをやると思ってるのよ?』

『……KANATAと結婚するため?』

『そうよ。KANATAと結婚出来れば、アイドルなんてしなくていいんだから。デビュー前にあわよくば、結婚しようと思っただけじゃない』

『ああ、なるほど。って、なるかァァァァ!!!』

『うるさい』

今朝の記憶を遡っていたら、目の前でシオンが泣き始めた。さっきまでヨダレを垂れ流していたというのに、次は涙と鼻水でぐちゃぐちゃだ。

百面装なの?


「うっふへぶひぶひ、え~~~~~んっひっくひっく」

泣き方の癖で、途中で鼻を鳴らすのは一体何なんだ。

さっきまでウキウキしていたのに、なんで急に泣き始めたのはよくわからないし、あんまり興味がないので、机に肘をついて明後日の方向を向いていた。

それなのに、

「RIOくん熱愛発覚だって……ひぃぃぃぃぃっうっう」

シオンの言葉に、思わず聞き返していた。

「里央?」

「ファンがSNSで拡散しててね。里央くんのプラベの写真が流出してるの!それが、ネットニュースにもなってて。……あ、あった!これこれ!」

スマホの画面を見せられ、あたしはのぞきこんだ。

コーヒーショップにいる里央だった。丸テーブルで里央の向かいに座る女性は顔がモザイクで隠されていた。

とても見覚えがある。