小悪魔DOLL【Ⅰ】



あたしは青木が、だいっきらいだ。

青木は人前だって平気であたしを怒鳴り散らす。

あたしのことをモノとして扱っているんだ。

あそこまでコケにして、青木と話すなんて考えられなかった。

無視することに決めたのだ。

一切、話してやらない。

絶対、会話するもんか。

レコード会社に向かっている間、あたしの決意はいとも簡単にひっくりかえった。


「女子のファンを獲得するためには、やはりメーク技術が必要ですよね~」

「……」

「雑誌の連載で、あいくの枠を獲得したいなぁ」

「……」

「何か得意分野がいかせたらいいんすけどね」

「……」

「どう思います?」

「……」

「あ、ファッションコーデとかもいいですね!」

……コイツっ!!

無視攻撃、全っ然きいてないじゃん!!!!!

くっそ!!神経図太すぎ!!

ポンコツを屈服させたいのに!!

地面にひれ伏させて「あいく様とKANATA様をくっつけるキューピッドになります~」って言わせてやりたいのに!!


「おい!くそポンコツ!!」

「くそ……ポンコツ!?」

勢いよく振り返り、青木に人差し指を突きつければ、ポンコツ顔が寄り目になった。

「あんたを見返してやるんだから!!」

散々、言ってくれたじゃない。

暴言しか吐かない?

挨拶も出来ない?

悪魔でしかない?

あたしが、アイドル失格?



「その減らず口閉じて、黙って見てなさいよ!完璧なレコーディングを見せてやるんだから!!」