ポンコツの言う通り、天使系アイドルを全うしてやった。
仕事だから、知らない人にだって、ヘラヘラ笑顔振り撒いて、挨拶だってした。
暴言の吐き方だって気をつけた。
文句だって言わずに、撮影もした。
何が不満なのよ?
なんであたしの邪魔すんのよ!
「さっきの取材、しっかりと受けてましたか?質問されたことに対して、受け答えが完璧に出来てましたか?最初に質問された内容は、覚えてますか?」
そんなの、……覚えてるわけないじゃない。
「あいくはコンサートのことしか、考えてなかったですよね?記者の方達のフォローも気づいていないでしょう?」
唇を噛み締めて、青木を睨み付けた。
それでも、青木の瞳は力強くあたしを見つめ返していた。
「本来なら、この前も今回も雑誌にあいくを載せてもらえるはずじゃなかったんです。しかし、急遽今週見開き2ページ。再来週号に4ページも載せてもらえることになったんですよ」
「そんなの、……知らないっ」
「知らないじゃない!!」
大声をあげた青木に、ビクリと体が強張った。
白目が真っ赤に充血して、大きく見開いた青木の瞳が、あたしを見下ろした。奥歯を噛み締めて怒りを露にする青木に、声を出す事も出来なかった。そして、青木が次に吐き出した言葉が、心に重くのしかかる。
「君は、アイドル失格ですよ」
青木の目はもう、あたしに向く事はなかった。
自分が無意識に唇を噛み締めている事さえ気づいていなかった。
痛みも何も感じなかった。
ただただ、悔しかったんだ。
