『なんで、これ持ってんのよ!』
『……これ?』
『そのKANATA十周年記念コンサートのチケット!!!倍率60倍越えの、即完売チケット!!!!』
『え?もしかして、あいくちゃんもKANATAくんのこと好きなの?嬉しい!!!あいくちゃんと、好きな人が同じだなんて!!!親友になった子とKANATAくんのコンサート行くことが、夢なの』
『……はぁ、あんたなに寝ぼけたこと言ってんの?』
ぐいっと両手を鷲掴んで引き寄せる。
そして、
『あたしたち、もう親友じゃない??』
急接近すれば、シオンの頬がポッと紅く色づいた。
最初と言ってることが違う?
人は時として、臨機応変に対応することが大切なの。
だから、あたしはストーカーとも友達にもなるし、今日だけはポンコツ青木の言う通り、天使系アイドルとして仕事をしてあげる。
だって、この仕事が終われば、今日KANATAのコンサートに行けるんだ。
10年間、ずっと、会いたいと思っていた
KANATAに会えるんだ。
「青木!!車だし……ぐぺっ!!」
1時間後、また窒息殺人事件簿が起こるとは、誰が予想しただろう。記者に挨拶をして、スタジオの出口に突っ走っていたあたしの首根っこを引っ掴んだ犯人は青木だ。
「何すんのよ……っ!」
今から向かったとしても、開演時間ギリギリだ。
ポンコツはここで人の襟首掴んでいる前に、さっさと車を用意するべきだファック青木!
ギロリと睨みつけると、青木が物凄い形相であたしを見下ろした。
「AIKU。KANATAのコンサートですが、シオンさんにはお断りしておきました」
は?今、なんて言ったの?
