「あいくーーーーーーー!!!!!」
すぽん!!
桜の海から顔を出した青木が怒り心頭で、雄叫びを上げた。あたしがその中に飛び込めば、桜の花びらがヒラヒラと宙に舞った。
その光景はとても綺麗で、自然に口角が上がる。
あたしを捕まえようとする斗愛樹理から、するりと身を交わす。体についた桜を払う里央にも、桜の海を満足そうに泳ぐ由依にも目を向けず、樹理が作った特製団子を片手ですくい取った。
そして、青木の口めがけて、突っ込んでやった。
バカみたいに大きく開いていた青木の口に、特製団子を放り込むことは簡単だった。突然入った食べ物に、青木が咀嚼を始めた頃には、あたしは事務所に向かって駆け出していた。
あたしの通った道が桜の花びらに彩られていく。
「カラシーーーーーーーーーー!!!!!」
火を噴いた青木の叫び声は、春の空に響き渡った。
あたしが振り返れば、のたうち回る青木と他の4人がこちらに目を向けている。桜まみれのアイツらを見て、口角を上げたんだ。あたしは親指を首筋にあてて首を切ったジェスチャーのあと、地面に向かって下ろした。
「全員、地獄に堕ちろ!」
あたしの圧勝だ。
にんまりと笑ったあたしの髪がなびけば、桜の花びらが風に舞った。
「すーげー、性悪ーーーーーっ!!」
「……吊るし上げてやる」
「斗愛くん、ボクが備品の準備するから任せてっ」
「天使系アイドルですよね?……まるで、」
「里央くん。悪魔って言いたいん…ゲホッ…ですよね……ゴホッオエッ」
こうして、あたしは誰もが認めるウエストウッド所属天使系アイドルになった。
