こんな屈辱、初めてだ。
あたしをここまでバカにして、コイツら全員ただで済むと思うんじゃないわよ。
「ちょ……、あいく?」
無言で歩き始めたあたしに、青木が後ずさった。
のたうち回っていた由依も、団子を綺麗に盛りつけていた樹理も、口角をあげてあざ笑う斗愛も、心配そうな表情の里央も、全員があたしに瞳を向けた。
あたしは桜の木の下まで行って、全員を睨みつけた。
周りに咲いたチューリップやビオラが震えるように揺れる。
そして、大きく息を吸いこみ、腹の底から声を張り上げたんだ。
「桜に埋もれて、全員窒息しちまえ!!!!」
大声で叫びながら、桜の木をガンガン蹴った。
あたしの叫び声はウエストウッドの敷地に、ゴオンゴオンと大きく反響する。大きな幹が震動にぶるんぶるん震えて、ドバッと勢いよく桜の花びらを落とした。勢いよく落ちた花びらにあたし以外の全員が埋もれて、桜の花びらまみれになった。
桜の海からすぽんすぽんと顔を出したアイツらが滑稽で、あたしは腹を抱えてケラケラ笑ってやった。
「ブス!!何すんだよぉぉぉーーー!!!!」
「……ぶっとばす」
「すーげー!!桜の絨毯だぜーーーやっほーーーーい!!!」
「ねぇ、なんで僕まで被害こうむるのかな……?」
あたしは満足げに笑った。
桜の花に溺れるアイツらがどんな暴言を吐こうと、なんも恐くなかった。
