小悪魔DOLL【Ⅰ】






「手、痛むの?」

その声に顔をあげれば、ミルキーブラウンの瞳があたしを見つめていた。

里央が首を傾げれば、ミルキー色の髪がさらりと揺れた。

あたしの手を持って、赤く腫れた手首を撫でる。その仕草はとても自然で、あたしはじっとその行為を見つめた。




「僕が治してあげる」

彼はそう言って、ニッコリと笑った。

まるで、本物の天使みたいだ。

中身は堕天使なのに……。




そっと目を閉じた里央が、手首を優しく撫でて、呪文を唱えるんだ。


「痛いの、痛いの、悪魔に飛んでけ」

パチンと指を鳴らして、里央が斗愛に向かって痛みを飛ばした。そして、ミルキーブラウンの瞳をあたしに向けて、ゆっくりと口角を上げたんだ。ミルキー色の髪が太陽の光にキラキラと輝いて、あたしは里央を見つめた。


「痛いの、なくなった?」

「全然、効かない」

「まだ見習いだから、失敗しちゃったのかな」

「失敗してんじゃないわよ」

「わぁ、八つ当たりがひどいね?」