「手、痛むの?」
その声に顔をあげれば、ミルキーブラウンの瞳があたしを見つめていた。
里央が首を傾げれば、ミルキー色の髪がさらりと揺れた。
あたしの手を持って、赤く腫れた手首を撫でる。その仕草はとても自然で、あたしはじっとその行為を見つめた。
「僕が治してあげる」
彼はそう言って、ニッコリと笑った。
まるで、本物の天使みたいだ。
中身は堕天使なのに……。
そっと目を閉じた里央が、手首を優しく撫でて、呪文を唱えるんだ。
「痛いの、痛いの、悪魔に飛んでけ」
パチンと指を鳴らして、里央が斗愛に向かって痛みを飛ばした。そして、ミルキーブラウンの瞳をあたしに向けて、ゆっくりと口角を上げたんだ。ミルキー色の髪が太陽の光にキラキラと輝いて、あたしは里央を見つめた。
「痛いの、なくなった?」
「全然、効かない」
「まだ見習いだから、失敗しちゃったのかな」
「失敗してんじゃないわよ」
「わぁ、八つ当たりがひどいね?」
