小悪魔DOLL【Ⅰ】







数分後。

「いいか、あいく。こうやって、飲むんだよ。……グビグビグビッ、カァァァァッッ!!染みるぜェーーーー!!!!」

トックリの酒を一気に飲み干した由依が、決め顔を作ってあたしを見た。あたしはなみなみ注がれた酒が入ったトックリを持ったまま、無表情で目を向けた。




「アホ面こいてないで、お前もやれよ!」

「誰がアホ面よ!!呆れて見てんのよ!!」

あたしはムッとして、トックリを口につけた。

そして、目を強く閉じて、勢い良く流し込んだ。口の中に甘味が広がって、あたしは中身の無くなったトックリをまじまじと見つめた。




「何これ……」

「おい!何してんだ!!ッカァァァァァ!!染みるぜェーーーー!!だろ!?」

「これ、甘くて美味しい」

「あったりめーだろ。スポーツドリンクが一番うめーんだ!!」

「はぁ!?スポーツドリンク!?お酒だと思ったじゃない!」

「なに言ってんだ?未成年は酒飲んじゃいけねーんだぞ」

「一升瓶にスポーツ飲料移し替えるのは勝手だけど、カラのペットボトルを片付ける人の身にもなってほしいもんだね」

樹理がお皿にからし入りの団子を積みながら、ぼやいた。




「バカみたい。何のために移し替えるのよ」

「これだから素人は、何もわかっちゃいない。花見と言ったら、桜と団子と酒と酔っぱらいだろ!!それをたしなむのが、粋な大人がやる花見っつーもんだ!!」

「由依、コイツに言っても無駄無駄。ブスには理解できないよ」

「誰がブスなのよ!!!」

「お前以外に誰がいるんだよ?さぁさぁ、ブスさん、お団子どうぞ」

「いらないわよ!!!!」

「食えよぉ!!!」

「食べない!!!!」

お団子を無理矢理食べさそうと、あたしの口をこじあけようとする樹理ともみくちゃになった。由依はその周りを酔っぱらいのマネをして、奇声を上げながら千鳥足で歩く。