そして、舞い戻る。
「……ここは、どこ?」
「にゃにゃにゃーにゃ、にゃんっ!にゃにゃにゃ?」
だから、何言ってんだコイツ。
摩訶不思議なモノを見るように、彼は好奇な瞳をあたしに向けていた。それにしても、この男どこかで見た事がある。あたしが記憶をたどっている最中、視界の上からカフェオレ色の髪が揺れ動いた。
「樹理《じゅり》、コイツ死んだ!?」
「由依《ゆい》ぃ~。残念ながら、生きてるみたぁい」
「残念ながらって、どういう意味よ!!!!」
あたしが勢いよく起き上がれば、上にいた猫が華麗に飛び降りた。
「なんだ!心配して、損した!」
「心配しなさいよ!こっちは頭打ってんのよ!!!!」
「心配しろって言ったって、オレらはもっと厄介なことが……」
カフェオレ頭に両手を置いて、人を突き飛ばした事に関して反省の色も見せない由依が、急に口を閉ざした。そして、カフェオレブラウンの瞳とマシュマロブラウンの瞳が交差する。
ドドドドドドッ、複数の足音が響いて、二人が目を大きく見開いた。素早く足音のするほうへ目を向ける。
あたしも彼らの視線の先に目を向けた。
「YUIJURIーーーーーーーーっ!!!!!」
大人数の男たちが大声を上げて、こちらに向かって来ていた。
物凄い血相で走ってくる男たちに、あたしは目をパチクリさせた。そういえば、あたしと衝突する前、コイツらは誰かに追われていた。
相当恨みを買っているに違いない。
