「最初から防御張って、悪魔系アイドルさんお疲れさま。ただ逃げてるヤツが文句ばかり言ってることほど、滑稽なことってないよね」
「出来損ないだったドリームが、大きな口たたくようになったな?お前の地位は、お前のモンじゃねえだろ」
タバコを地面に叩き捨てた斗愛が、ジリジリと火種をすりつぶして唸った。
「それって、いつの時代の話?アイドルが時代遅れって、かなりださいよ」
「減らず口、二度ときけねえようにしてやろうか?」
里央の胸ぐらを鷲掴んだ斗愛が、目を見開いて奥歯を噛み締めた。
「事務所が指示したペアだ。俺はお前をペアだなんて、……認めてねえからな」
「仕事に感情なんて必要ないんだよ。自分を王様と勘違いしてるんじゃないの?僕たちの存在価値を決めるのは、ファンだ。お前じゃない」
胸ぐらを掴む斗愛の手を持って、里央は無表情で引きはがした。
「そして、ファンに選ばれるのも、お前じゃない」
ミルキーブラウンの瞳が力強くココアブラウンの瞳を見据えた。添えられた手を振り払った斗愛が、鋭く里央を睨みつけた。
ココア色の髪が夜風になびく。
「人を騙して媚び売ることがファンのためって言うなら、干された方がマシだよ。てめえみたいに事務所の犬になるつもりなんて毛頭ねえからな」
「安心して。僕も、お前みたいにはなりたくないよ」
ウエストウッドドリーム。
ウエストウッド事務所に所属し、まだデビューしていないアイドルたちのことを【ウエストウッドドリーム】と呼ぶ。その中で圧倒的な人気を誇るペア、悪魔系アイドルTOA×天使系アイドルRIO。
対照的な容姿、対照的な性格。
彼らがペアを組んで、3年は経過していた。
【ଘRIO×TOA✟】
