「スキャンダルっていったら、あんたの性格をバラすのが1番のスキャンダルはむむむ……」
「おっと、それ以上言っちゃだめだよ?」
里央は人差し指の腹であたしの唇を押さえる仕草で、言葉を封じる。
天使の微笑みのはずなのに、今はミルキーブラウンの瞳が全く笑っていないのがわかった。
「それでは、僕はドラマの撮影があるので、失礼しますね。青木さん、お疲れさまでした。あいく、またね」
「里央くん、お手数おかけしました。お疲れさまです!……って、あいくも挨拶!!中指たてるのやめなさい!!!」
無駄にキラキラしたアイドルオーラを振りまいて、里央は去って行った。青木のカツにしぶしぶ中指を下げたけれど、気に入らない。だから、あたしは里央の正体を青木にチクった。
「アイツ、天使の皮を被った悪魔よ」
「あいくも大概同じっすけどね。いや、全然違うか。悪魔を隠そうとしていない時点で、最悪なんすよね」
「何ですって!?どこが悪魔なのよ!?」
「何から何まで悪魔っすよ!いいっすか!?天使系アイドルが男を押し倒すなんてこと、あってはならないんです!天使系アイドルRIOを見習ってください!そのために、1番最初の仕事はRIOくんとの仕事をセッティングしたのに!」
「そんなの知らないわよ!押し付けがましい言い方しちゃって!どうせだったら、KANATAと撮影がよかったのに!!」
「こんな状態でトップアイドルKANATAと肩を並べれると思ってるんですか!?いいっすか。君は天使系アイドルとして女性アイドルのトップに君臨することが出来たら、小さい頃の夢だった【KANATAと結婚する】を実現出来る!」
そして、青木はポケットから何かを取り出し、あたしに突きつけた。
「何よ、それ」
「あいくの仕事用スマホです!」
「……スマホ」
受け取った四角い物体をツンツンしてみるけど、何も反応しない。
「横の電源ボタンで電源がつくんです。パスワードを入力して。俺の連絡先はもう登録しておきましたから」
「はぁ!?!?なんで勝手に登録すんのよ!?!?1番最初に登録するのはKANATAの連絡先に決まってんでしょ!!!!消して!!!!」
「話聞いてました!?仕事用のスーマーホ!この先、あいくがどこで何をしてても、このスマホがあれば、俺がすぐに迎えに行けるってわけです。……まぁ、現役の高校生なのに、スマホすら持っていなかったなんて、正直驚きましたけど……」
青木がぺちゃくちゃ喋っていたけど、全く聞いていなかった。操作した事のないスマホをツンツン突っつきながら、削除ボタンを探す。
「削除禁止ィィィィィィーーーーーーー!!!!!」
くそ、バレたか。
