『あいく、僕が君に天使の魔法をかけてあげるよ』
『天使のご加護がありますように』
『世界で1番天使なのは、誰ですか?』
『僕の天使の機嫌がなおりますように、どうぞ』
『僕に触れてよ?』
天から降り注いだ、たくさんの言葉。
気持ちまで高揚させる、里央の温もり。
その言葉の意図でさえ、今となれば理解できた。
それなのに。
まるで、特別な女性になったように錯覚してた。
あたしは彼に出逢った瞬間から、RIOワールドに引きずり込まれたんだ。
無意識にその世界に酔いしれてしまっていた。
高揚感も、温もりも、この感情も。
この童話のような世界、全てが天使系アイドルの計算のうちだった。
「堕天使」
「……へーぇ、気づいちゃった?」
初めてミルキー色の瞳の奥に、のらりくらりと影が動いた。里央はあたしの言葉に驚きを見せることなく、誰にも聞こえない声で囁いた。
天使ではない、笑みを浮かべて。
