小悪魔DOLL【Ⅰ】






『あいく、僕が君に天使の魔法をかけてあげるよ』

『天使のご加護がありますように』

『世界で1番天使なのは、誰ですか?』

『僕の天使の機嫌がなおりますように、どうぞ』

『僕に触れてよ?』




天から降り注いだ、たくさんの言葉。

気持ちまで高揚させる、里央の温もり。

その言葉の意図でさえ、今となれば理解できた。

それなのに。



まるで、特別な女性になったように錯覚してた。

あたしは彼に出逢った瞬間から、RIOワールドに引きずり込まれたんだ。

無意識にその世界に酔いしれてしまっていた。

高揚感も、温もりも、この感情も。

この童話のような世界、全てが天使系アイドルの計算のうちだった。





「堕天使」

「……へーぇ、気づいちゃった?」

初めてミルキー色の瞳の奥に、のらりくらりと影が動いた。里央はあたしの言葉に驚きを見せることなく、誰にも聞こえない声で囁いた。

天使ではない、笑みを浮かべて。