小悪魔DOLL【Ⅰ】



あたしは再びリモコンとにらめっこ。

……録画、……録画、……録画。

「何してるんすか。早く食べないと、冷めちゃいますよ?」

口うるさい、変態マネージャーめ。


「録画見たいのよ。KANATAを見たいの!」

「録画設定もしてないのに、番組が録れてるわけないでしょう?」

「そんなの、わかんないじゃない!あんたがテレビの何を知ってるのよ!!」

「あー、わかりましたよ!録画に変えればいいんですね!貸してください!俺がやりますから、カレー食べてくださいよ」

なによ、偉そうに。

あたしからリモコンを奪った青木が、慣れたようにテレビを操作し始めた。かっこつけやがって。

「あれ?録画予約されてる……」

「ほら、言ったじゃない。あたしのKANATAへの想いがテレビに通じたのよ」

「そんなわけないじゃないですか。シオンさんが予約しといてくれたんですよ。それに、全部KANATAくん出演してる番組じゃないですよ」

「じゃぁ、何が録画されてるのよ?」

「【セーズ ザ ドリーム★】と【メルヘンホームズと助手】ですね。2つともウエストウッドドリームの深夜番組のバラエティとドラマです」

メルヘンホームズと助手、ケッ。

そんなくそダサいドラマ見るわけないでしょ。


疲れて帰って来て癒しを求める為に、KANATAを見ようと思ったのに。帰って来るといつもポンコツが待っていて、もううんざりなんだ。あたしはテレビに興味が無くなり、カレーにスプーンを突きさした。すくいとったカレーを口に運び、もぐもぐと食べたあたしは青木に目を向けた。


「ちょっと!カレー、冷めてんだけど!」

「だから、言ったじゃないすか!!!!」

「何逆ギレしてんのよ、大人げないわね」

「……っ温めなおしますよ」

「もういいわよ、面倒くさい」

「待ってるだけなのに、何が面倒くさいんすか!!」

「何キレてんのよ、大人げないわね」

大きなため息をついて立ち上がった青木がまた座り直して、リモコンを操作した。テレビ画面が移り変わり、録画してあった深夜のバラエティ番組が始まった。


《今週のセーズ ザ ドリーム★女性に人気のスイーツ店で順位を当ててスイーツ男子になろう後半戦!!》

ナレーションとともに、前回の番組説明映像が流れる。テレビに映る子犬と子猫を指差して、あたしは叫んだ。


「由依樹理!」

「当然ですよ。ウエストウッドドリームの番組ですから。主力メンバーである由依くんと樹理くんは、毎週出てますよ」

青木が胸を張ってそう言った。

なんであんたが偉そうなのよ。

ポンコツのくせに、元マネージャーぶりやがって。