小悪魔DOLL【Ⅰ】



「RIOくん、AIKUちゃん!すっごくいいよぉ!AIKUちゃんへの愛しさがにじみ出てる!!!」

カメラマンがベッドの上に向かい合って座るあたし達を大げさに褒めながら、フラッシュを浴びせた。


スタジオにセットされたメルヘンルームの中。

あたしと里央はベッドの上に座り込んで、互いを見つめ続けた。忙しなく動き回るスタッフさえ目に入らないくらい。


「AIKUも僕に触れてよ?」

あたしの手を包み込んで、ゆっくりと誘導していく。

里央の体温で一瞬にして解凍されたように、あたしの手はしなかやかに里央の頬へ触れた。真っ白でキメ細やかな綺麗な肌に、そっと触れたんだ。

「もっと指先を伸ばして」

「指先?」

里央の頬を撫で、ミルキー色の髪に触れようとした手を止めた。

微笑んだまま、里央は口を開くんだ。

「ネイル、お揃いにしたでしょ?」

その一言に、目を見開く。



『アリスさん、僕のネイルの柄、あいくとペアにしてもらえます?』



そういうことだったんだ。

里央は最初から、あたしと雑誌撮影があることを前提で、その注文をした。

まるで愛しそうにあたしの頬へ手を伸ばしたのは、カメラにネイルが見えるように。里央の中で撮影はあの時から始まっていたのかもしれない。

まるで天使のように、あたしの前に舞い降りたときから。

これまでちりばめられた天使の言葉の数々が頭の中で浮かび上がり、繋がっていく。全ての甘く優しい夢心地な言葉たちが耳の奥で響き渡るんだ。

まるで恋人のように接して、誰よりも特別に扱った。