《♪ love me... love me... love me...》
《my sweet angle》
《ミラーに唱える ひみつのおまじない》
《はやりのメイク 少し背伸びしちゃって》
《はやく あなたに 届けたい》
《ぷくぷくチェリーグロス 桃色チーク》
《いちごのパフューム ふりまいて》
《あなたは もう わたしに夢中?》
何度も何度もリピートされる、あたしの歌声。
雑誌の切り抜きが貼り付けられ、大々的に売り出されたチェリーグロス。綺麗に整列したカラフルなグロスたちがあたしを見上げていた。その中でも一際自信たっぷりに胸を張るチェリーグロスに、口角を上げる。
「あいくのつけてたチェリーグロス、1番人気だって」
優空の言葉に、今朝のシオンを思い出していた。
『あいくちゃんがつけてたチェリーグロスがほしいの!!!』
シオンがほしがってたやつだ。そう思って、頭からシオンを放り出した。
あんなヤツ、関係ない。
約束をすっぽかしたくせに。
「……なんで、里央くんなんだろ」
その言葉に、あたしは優空を見上げる。
ハニーブラウンの瞳は真っ直ぐと前を見据え、拳を握りしめていた。優空の視線の先を追えば、雑誌の切り抜きがあった。
初めて撮影をした時の雑誌だ。
羽根が舞い上がり、あたしは里央と微笑み合っていた。ミルクティーとミルキー色の髪が交わりあい、客観的に見たらお似合いの天使系カップルのようだった。締め付けられる胸を無視して、口を開いた。
「仕方ないじゃない。優空が謹慎処分になってる間に、里央に人気取られたんじゃない?」
「俺が相手役、したかったな」
優空が弱々しく笑った。
本心を隠したその表情に、それ以上何も言わなかった。ドリームの問題に首を突っ込むのは、もう御免だ。とばっちりを受けたくない。
「ねぇ、ラブべあってなに?」
「ラブべあは、あいくのファンの子達のことだよ」
「なによそれ。そんなの、知らない」
あたしのファンの子たちを【ラブべあ】って呼ぶことを、なんであたしが知らないのよ?あのくそポンコツ、ちゃんと仕事しなさいよね。
ポンコツ青木を思い出して、フンッと鼻を鳴らした。
