【ウエストウッド事務所。期待の新人デビュー!『天使系アイドル、AIKU』】
大きな見出しだった。
そして、スプリングフェスティバルのステージで観客に向かって手を振るあたしが載っていた。
そして、青木はスマホの画面を見せつけて「ほらほらほらぁ!」と人差し指でスライドして、幾つものネットニュースを見せつけてくる。シオンはテーブルに置かれたリモコンを持って、テレビをつけた。録画画面を器用に操作するシオンを見て、あたしは瞬きをする。
「それだけじゃないんだよ!!これも見て!!」
録画された映像が、再生される。
《毎年春に開催されるウエストウッドのスプリングフェスティバル。今回のウエストウッドスプリングフェスティバル1部では、新人アイドル2組が注目されました》
ウエストウッドドリームとAIKUのパフォーマンスが映像で流れ、アナウンサーのナレーションが入る。
《ウエストウッドドリームはCRO2S CROWN2の【誰を選ぶの?】を披露し、人気メンバーの息のあったパフォーマンスに会場が盛り上がりました!》
「このあとだよ!!」
シオンが奇声を発した。あたしはトーストをかじったまま、動くことなくテレビを見つめ続けた。
《そして、スプリングフェスティバル1部のトリをつとめたのは今回の主役、天使系アイドル『AIKU』。ウエストウッドスプリングフェスティバルでデビューを発表。天使の容姿と、その美声で会場を魅了しました!デビュー前から街を染めていた天使が、やっと姿を現したことに、ファンたちが熱狂しました!》
「……なにこれ」
「朝のニュース番組、録画したの!あいくちゃん、全国ネットで流れてるんだよ!」
「当然です。ウエストウッドから出た新人アイドル。注目しないはずがありません。今以上に、あいくには天使系アイドルとして、自覚を持ってもらわなきゃいけないんです」
青木が偉そうに言った。
それでも、あたしはテレビを見つめ続けていた。
「……なんで」
「だから、世間がAIKUに注目してるん……」
「なんでテレビがあんのよ?」
「そっちか~い!」
青木がド派手にずっこけた。
