あたしは大量にショコラソースを入れた。色が真っ黒のまんまで、本当に味が変わったのかわからない。ハチミツとキャラメルソースも入れてみれば、水かさが増した。そして、ココアパウダーを振りかける。
黒すぎるから、アラザンもかけてみた。
「……まっず!!!」
全然、カフェモカじゃない!!
甘ったるく、後から苦味がやってくる。
そして、時おり粉っぽい。
「全然、美味しくないじゃない!!」
「知らないよ、そんなの」
スマホをいじりながら、店員が言った。
「知らないじゃないわよ!仕事しなさいよ!HARUKAにサボってたって、チクるわよ!」
「注文通りエスプレッソ作ったじゃんかよ。お金無いんだら、カフェモカあげれないもん。俺にどうしろって言うんだよ」
「エスプレッソとカフェモカ交換して!」
「だから、無理だってば!!」
あたしと店員はレジでバチバチと火花を散らした。そんなあたしの背後から、青木が大急ぎでやってきた。
そして、大声をあげた。
「あいく!!なにしてるんすか!!」
レジに駆け寄った青木が、ショコラソースとココアパウダーまみれになり、アラザンが浮かび上がるエスプレッソを見つめた。
「なんすか、これ」
「エスプレッソをカフェモカにしようとしたのよ」
唖然とするポンコツに、あたしは簡潔に説明した。その説明を聞いて、ポンコツが大きなため息を吐き出していた。
