小悪魔DOLL【Ⅰ】



あたしは大量にショコラソースを入れた。色が真っ黒のまんまで、本当に味が変わったのかわからない。ハチミツとキャラメルソースも入れてみれば、水かさが増した。そして、ココアパウダーを振りかける。

黒すぎるから、アラザンもかけてみた。

「……まっず!!!」

全然、カフェモカじゃない!!

甘ったるく、後から苦味がやってくる。

そして、時おり粉っぽい。

「全然、美味しくないじゃない!!」

「知らないよ、そんなの」

スマホをいじりながら、店員が言った。

「知らないじゃないわよ!仕事しなさいよ!HARUKAにサボってたって、チクるわよ!」

「注文通りエスプレッソ作ったじゃんかよ。お金無いんだら、カフェモカあげれないもん。俺にどうしろって言うんだよ」

「エスプレッソとカフェモカ交換して!」

「だから、無理だってば!!」

あたしと店員はレジでバチバチと火花を散らした。そんなあたしの背後から、青木が大急ぎでやってきた。

そして、大声をあげた。


「あいく!!なにしてるんすか!!」

レジに駆け寄った青木が、ショコラソースとココアパウダーまみれになり、アラザンが浮かび上がるエスプレッソを見つめた。

「なんすか、これ」

「エスプレッソをカフェモカにしようとしたのよ」

唖然とするポンコツに、あたしは簡潔に説明した。その説明を聞いて、ポンコツが大きなため息を吐き出していた。