小悪魔DOLL【Ⅰ】


「やっぱり、そうか。SNSで拡散されてたからなぁ。ウエストウッドからの、期待の新人天使系アイドルAIKU!」

大きい瞳をもっと見開いた。そして、スマホをいじり始める。整った顔があたしを見つめて、自慢げに微笑んだ。


「髪の毛はミルクティー、衣装は白のミニドレス、パールと羽根のヘアアクセ。ほら、ビンゴ!」

「きもい、ストーカー」

「は!?ストーカーじゃないよ。ウエストウッドの新人デビューなんだから、調べるでしょ?観客の子達がスプリングフェス1部の閉幕後に、SNSですぐレポート流してたよ。それにスプフェス前に事務所がかなり大々的に広告を出してたから、皆新人天使系アイドルの正体気になってたしさ」

「なんかよくわかんないし、詳しすぎてきもい。レポートって、何よ?」

「あー。ライブに来れなかったファン達のために、参加出来たファンがSNSでどんなことをライブ中に行ってたのかとか、詳しく書くんだよ」

SNSって、何でもありなの?

「他にも、由依が右足気にしてたとか。樹理が優空を睨んでたとか」

何か不思議な感覚がした。放つオーラが神秘的で、あたしはじっと彼を見つめた。ただのコーヒーショップの店員なのに。もしかしたら、この髪色のせいかもしれない。キャップを被るホワイトベリーの髪が、ふわふわとしてとても目立つ。白い肌に中性的な顔立ちだった。


「ファンってさ、小さなことでも見てるんだよ。由依が右足気にしてたなんて、普通の人だったら気づかないだろうけどね。樹理が優空のこと睨んでたってのは、笑ったよ。それに君のステージは動画撮影OKだったらしいし」

あたしは、ハッと気づいた。そして、それを口にする。

「あんた、ツルでしょ?」

「ツルの意味、わかってる?」

自慢げに言ったあたしに、店員が鼻で笑った。