小悪魔DOLL【Ⅰ】



あたしは受け取ったお金を握りしめ、カフェのレジに向かった。看板には【GOD BRESS COFFEE】と描かれている。

エスプレッソ、ラテ、カプチーノ。

カタカナばっかりで、よくわからない。

看板の下にかけられたメニュー表を見上げた。

ふとレジにいるスタッフに視線を落とせば、椅子に腰かけコクリコクリと居眠りをしていた。持ったままのスマホが危なっかしく、揺れていた。

仕事しろ。


黒いワイシャツとパンツ。そして、コーヒー色のエプロンには、金色の刺繍で【GOD BRESS COFFEE】と記してある。そして、コーヒー色のキャップにも金色の刺繍があった。ガタン、スマホがレジ机に落ちた。

「……ふわあああああ」

店員が伸びをして、あたしに目を向けた。ホワイトベリー色の髪が、ふわりと揺れた。大きな瞳が涙に揺れる。

「白髪」

「白髪びゃなひから」

欠伸を噛み殺すのに失敗して、店員は言った。見た目は同い年くらいか、少し年上か。それなのに、こんなに頭が真っ白だなんて、おじいちゃんだ。

「染めてるの。ご注文は?」

「プレミアムカフェモ……っ」

「あーーーーーーー!!」

あと、一文字だったのに。
店員が大声を出して、あたしを見つめた。


「AIKUでしょ?」

なんで人の名前、知ってんのよ。

あんた、だれ。