小悪魔DOLL【Ⅰ】



《♪ 想いはぐらかして からめた指先》

《ふせた目あわせて かすれた声が》

《本当のキモチ ささやくの》

ミルクティ色の髪がさらりと揺れた。

憂いを帯びれた瞳で観客席を見つめた。うっとりとあたしを見つめる観客に、あたしは語りかける。


《♪ あなたの心は》

《わたしだけを 見つめているの?》

《あなたは わたしに 恋してる?》



パァァァァァァァン。

発砲音が響き渡れば、ステージに、会場に、たくさんの羽根が放たれた。真っ白な羽根が勢いよく天に向かって舞った。

今日一番の歓声が響き渡った。

ゆらりゆらりと弧を描きながら、舞い落ちる羽根を取ろうと、観客が手を伸ばす。


《 ♪ あなたへの 想いで はちきれそうだよ》

《この想い バルーンにつめこんで》

《空へ 飛んでいけそう!》


もう、終わってしまう。

もっと、もっと、歌っていたかった。

歓声に包まれて、このステージで歌っていたかった。


《 ♪ ふわふわの くものうえ》

《ねっころがった エンジェルベイビー》

《いたずらな矢を はなたないで》


《わたしは もう あなたに夢中。》