曲調が変わった。
パーンと破裂音とともに、キラキラ輝く金テープと銀テープが会場に放たれた。いくつもの明るいライトがステージに浴びせられ、メンバー全員が激しく動く。センターにいた3人がターンをして、余韻を残して後ろに下がる。
YUIとJURIが、立ち代わるように前に出た。
金テープ発砲が合図のように、何人ものドリームたちがステージに流れ込んだ。完璧に揃ったダンスに、瞬きも忘れていた。
まるで別人みたいだ。
手足をしなかやかに動かして、会場に笑顔を向ける。後ろに遣えるドリームがYUIJURIに合わせて、ターンを決めた。
二人を見つめて、思い出していた。
『……最悪』
あたしを見るなり、樹理は毒づいた。
『おとり作戦だよぉ!!』
『さぁさぁ、ブスさん、お団子どうぞ。』
わがままで、自由奔放で、コロコロ表情を変える樹理。
『お前が後から来たんだから、オレのほうが先輩だ』
あたしの隣の席に腰かけて、由依が言った。
『カァァァァーーー!染みる~~~~、だろ?』
『そんなことしたら、もろバレじゃねえか!!』
いつも偉そうなくせに、時折見せるいたずらっ子のような由依。
あれは、あたしのクラスメート。
ステージの上で堂々とダンスする二人。観客席を挟んで反対のステージでスタンバイするあたしは、無意識にマイクを強く握っていた。
YUIJURIを筆頭にダンスを揃えるドリーム。
あそこまで完璧に揃えて、あんなにもファンの瞳を虜にしているのに、アイツらは歌を歌うことも許されない。
