響く音楽に、轟くファンの歓声。
裏方にいても、その熱気が伝わってきた。
ミルクティー色の髪は柔らかく巻かれて、光を浴びるたびにピンク色に輝いた。桃色のチークをのせ、チェリーのグロスが煌めく。
肩と鎖骨が開いたベアトップのミニドレス。指先が空いた白いレースのグローブを身につけ、頭は羽とパールをあしらったゴールドの大きなヘアアクセが飾られる。
あたしの性格がバレるとまずいとこぼして、青木はアリスを専属メーク&スタイリストに抜擢した。その言葉の意味はよくわからない。青木が許可したスタッフ以外との接触は絶対しないようにと念を押されたけれど、KANATA以外とすすんで接触するはずがない。
青木は本当に取り越し苦労芋虫だ。
『……私が人生かけて、あいくをトップアイドルにしてあげる!あたしは裏方のプロだから』
何故かは知らないけど、アリスは物凄く気合いが入っていた。そして、アリスの自信満々の言葉の通り、あたしは女の子から、天使に変貌を遂げた。
まるで魔女に魔法をかけてもらったみたいに。
大丈夫、大丈夫。
あたしなら、……出来る。
あたしはここでデビューする。
ここでデビューして、トップアイドルになる。
そして、KANATAと結婚するんだ。
