「HARUKAくん、俺打ち合わせがあって、事務所で降ろしてもらってもいいですか?青林さんに言われた時間、30分は過ぎちゃって……」
「バーカ、降ろすわけねーだろ。そんなもん、ばっくれろ」
ケラケラ笑ったHARUKAに、由依が目を輝かせて尊敬の眼差しを向けた。そんな由依の表情を見て、樹理も伝染したように口角をあげていく。
「……でも」
困ったように眉を下げる優空がぼそりと呟いた。
「いいか、お前ら。ビックになりてーなら、覚えとけ」
HARUKAの言葉に、シオンまで目を輝かせて身を乗り出した。
「何もかも言う通りにする必要なんてねーんだよ。まだ10代のガキが大人の言うこと素直に聞いて、何が楽しい?ばっくれて、反抗して、大人に逆らって、初めて新しい時代が出来んだ」
トントントン。
指先でハンドルを軽く叩きながら、HARUKAは饒舌に言葉を吐く。
HARUKAの声が醸し出す不思議な空間に誰も口を開かず、オレオブラウンの髪が揺れるところを黙って見つめた。
「お前らの時代が、やってくる。そのとき、お前らは大人の敷いたレールの上を、走んのか?」
オレオブラウンの瞳がバックミラー越しに問いかける。
「NOーーーーー!!!」
由依樹理が選挙演説に来た支持者のように、拳を突き上げて叫んだ。それを見て、HARUKAが笑った。
