大好きな幼馴染は既婚者子持ち

 出口から出る時にキャストの方に笑顔で見送られる。わたしたちはお礼を言って、出口から出た。もうすっかり夜になっている。夜まで一緒に過ごせるっていいなって思った。しかもふたりだけで。

 駅のホームに立つ。周りにもひとがいたけど、ぎゅって抱きしめられてそれから類斗からキスされる。

「類斗」
「ごめーん、ずーっと我慢しててんから褒めて?」
「もー」

 理由が可愛すぎる。可愛すぎてずるい、いっつも類斗は。

「そういえば修学旅行で先生来た時ベッドに一緒に入ったこと覚えてる?」
「うん、めちゃくちゃドキドキしたよ?」
「ちゅーしたことは?」
「ちゅー?」
「まじ? バレてへんかったんや! その後すぐ起きたからめっちゃ焦ってん。ゆり絶対気づいて起きたんやって」
「ええええええええ!!」

 電車がホームに流れ込んでくる。類斗に後ろから抱きしめられながら、わたしは電車に乗る。後ろからも人が乗り込んでくるから、どんどん押し込まれた。

 ていうかさ、そんなん起きてる時にしてよ。ジェットコースターじゃないときに告白してよ。って思っていたら、満員電車の中類斗にさらにきつく抱きしめられたけど、ちょ胸に手があって触られてるし。

 そして耳元で「我慢できひん」って囁かれるから、顔が真っ赤になってしまった。

 地元最寄駅から降りて、最初にふたりで前に初めて結ばれたラブホになだれ込むように入る。部屋に入るとすぐに服を乱暴に剥ぎ取られて、ベッドに押し倒された。

 それから、深きキスが続いて、類斗の唇がわたしの全身をはっていく。

 もっと……もっとと思ってしまうぐらいに焦ったい。目が合って微笑む。

「類斗」
「ゆり」

 微笑み合っているだけで幸せすぎる。
 お互い大人になったのに、心とか気持ちは昔のままだから不思議だった。