「…………………………………はあ?」
「ヒイッ」
情けない声を上げた王子もどき。
(こ、これは…カナメちゃんお怒りだぁっ…)
ちらりとアイカの方をみたユキ
アイカも普段はおっとりしたかわいらしい顔を全力で目を見開きゴリラのように歪ませて王子もどきを睨んでいる。
今にも飛び掛かってしまいそうなそんな二人。
「いや私達をみた最初の一言がそれぇ!?なーにが
『うおぉぉぉ………さすが才能者……………段違いに美しい!!!』
だ!!!きんんんんもっ、いやきんんんんもっ!ドン引きなんですけど!!!」
カナメが叫んだ。続けてアイカが
「ほんとそれぇ~!鳥肌たっちゃったよ~!人生で初めてかも!こういう人に向けた気持ち悪いって感情、初めてだよぉ!」
普段の天然っぷりからは想像できないようなドン引きしている顔。
これは家族として10何年も過ごしてきたユキとカナメも初めてみた顔だった。
「あ…………いや、これはその、えっと、わ、我輩は気持ち悪くなんてないぞ!」
言い訳に走った。アイカとカナメの顔が全力で引きつる
ユキは苦笑いするしか出来なかった。
「ふ、二人ともっ、落ち着いてっ…!とりあえず話を聞こう?ね?それから考えよう」
冷静を取り戻したユキの一言でカナメとアイカの顔がようやく元にもどった。
王子もどきとその連れの魔法使いもどき達もホッとしているようだった。
______だが。
「………で、これはどういうことなんですか?」
にっこりと、怖いくらいに満面の笑みを王子もどき達に向けた。
「あー……………怒らせたら一番怖いのって、ユキ姉だったわ……」
ぼそっと呟かれたそんなカナメのつぶやきはユキ以外には聞こえたようだった。
サーッとユキ以外の全員の顔面が真っ青になった。
