余所者-よそもの-【 2 】



野間は私が返事をしなくても歩いた。

私も、その後ろを黙ってついて歩く。


「あ、そうだ。あまり野暮なことは言いたくないですが」

「なに?」


「これまでずっと、紫藤さんはカナコさんがシトウで傷つくことがないように、眼を置いていました」

「……眼を置く?」


「街のウワサは大抵アテになりません。紫藤さんのことを、カナコさんがどう見てるのかは知りませんが──」

野間は足を止めず、ちらりとこちらを振り返った。


「これまでずっと。紫藤さんは、紫藤さんなりにあなたを守ってた」

「………」


「それだけは、言っておきます」


『眼を置く』とは。

街に見張りを置いて、私を守ってくれていた。
そういう意味だと思った。


シドは怖い。

乱暴で、強引で、いつでも簡単に私を攫っていってしまう。


だけど──……。
出会ったころから、私は何度もあの人に助けられている。

それは、たしかなことだった。