やっぱり、野間くんだってシトウの人間だと思った。
あたかもこちらを尊重しているように見せておきながら、結局のところ、私に拒否権なんて最初からないじゃないか。
けれど、仮に。
野間くんの言う通り、シドが私を求めることがあるのだとすれば。
多夜には迎えに来てほしくない。
何をされるか、何を言われるかわかったもんじゃない。
逆にそうでないのだとしても、私だって確かめておきたい。
シドが何を考えているか。
それから……自分だって一体何を考え、どうしたいのか。
私が返事をしなくても、野間は私に背を向けて、歩きだす。
「あ、そうだ。あまり野暮なことは言いたくないですが……」
「なに?」
「これまでずっと、紫藤さんはカナコさんがシトウで傷つく事がないように、眼を置いてました」
「………」
「あれから四日間。……紫藤さん、めちゃくちゃカナコさんのこと心配してたっすよ」
『眼を置く』とはきっと、見張りを置いて私を守っていた、という意味だ。
……どうしてシドは、そうまでして私に気をかけてくれるんだろう。

