余所者-よそもの-【 2 】



「……まぁ、こういうのは自分で気づくのが一番ですからね」


「野間くん」

「はい」

「私、行かなきゃいけない?」


「いいえ?」

「……いいの?」

「カナコさんが嫌だと言うのなら、僕だって考えます」


野間はシトウの人間。

きっと私に拒否権なんてない。
そう思っていたものだから、野間のその解答はとても意外だった。


「僕のこと、疑ってます?」

「だって……断っちゃいけないものだと思って」


「多分なんですけど、シトウの中でカナコさんの感覚に一番近いのは、僕だと思うんですよね」

「………」


「紫藤さんほど神かかってなければ、多夜さんほど人に無関心でもありませんから、僕は」

「その二人と比べると、まぁ……」


ちょっと失礼な言い方になっちゃった。

でも、野間はたしかに話しやすい。


「ですから、カナコさんが嫌だと言えば、僕くらいは尊重してあげたいなと思います。ただ──……」

途切れた言葉に、顔を上げる。


野間は考え込むように、右手を額に当てていた。

その中指に彫られた“目玉”のタトゥが、じっとこちらを睨みつけているようで不気味だった。


「本当に、嫌ですか?」


……どういう、意味だろう。