余所者-よそもの-【 2 】





――パチ、パチ。


爪を切りながら、深夜のバラエティー番組を見ていた。

24インチの小さなテレビが映し出すそれは、大して頭に入ってこないけれど、中にいる人たちが楽しそうだからそれでいい。

誰かの笑い声を聞いていれば、少しだけ寂しさが紛れるから。

やがて、玄関先から音がした。


「シド。おかえり」

「ああ」

「怪我……してるの?」

「俺んじゃねぇよ」

「そっか。またシトウ?」


跳ねた血で汚れたシャツ。

シドはそれを脱ぎ捨て、ゴミ箱に放った。


「もう寝る?疲れたよね」

「いいや」

「じゃあ、」


「カエデ」


彼の大きな手が、私の髪を優しく撫でる。


「今日、誕生日だろ」

「覚えてたの?」

「いや、さっき思い出した」

「正直ね」

「どこも店なんかやってなくて、用意は何もねぇ」


そう言って、私をベッドに押し倒す。

私はふふっと笑って、彼にキスをした。


「いいよ」


シドは「可哀そうな女だな」と、いたずらな笑みを返した。