余所者-よそもの-【 2 】



足りない。

足りない。

お前を守るには。


だって諦められない。

もう……手放せない。


この痛みも、この苛立ちも。

俺は、お前でしか感じることができない。



――『お前って、気に入ったヤツにあだ名をつけるクセがあるよな』

ユキの中で、いつかの潤の言葉と共に、彼の拳で打たれた胸の感触が蘇った。



そうか。

俺はもうずっと前から、お前しか見えていなかった。


俺を見てほしい。

俺だけを、見てほしい。



「かぁこ」



――お前が、欲しい。


もう、欲しくて、

欲しくて、たまらないんだ。




ユキは震える手に力を込め、カナコを強く抱き寄せた。


彼女の噛んだ舌の傷を、口の中で確かめる。


鉄の味が、じわりと、広がった。



「……痛いね」