余所者-よそもの-【 2 】



「あ」

「なんですか?」

「飯、作って」


頬杖をつきながら、こちらを見るユキ。

──『今度、なにか作ってみて』

前に、こんなことを言っていたことを思い出す。


料理器具は揃えてある。

でも、ユキが家で食事を取るタイミングがわからなかったから、これまで機会がなかった。


「買い出しからで良ければ」

「うん」

「何が食べたいですか?」


「得意な料理は?」

「オムライスです」


間髪入れずに答えた。

だけどすぐにハッとした。


「あ、いやっ別に。レシピを見ればなんでも」

「じゃあ、オムライス」


「他のものでも……」

「もうオムライスの口になってる」


「そう、ですか……」


私は近くのスーパーに買い出しに出かけた。

……どうして『オムライス』なんて答えちゃったんだろう。


何度も何度も繰り返し作った、オムライス。

レシピなんて見なくたって、必要な食材も、分量も、全部覚えてる。


どうしたって彼の顔が浮かぶ。

タカが好きだと言ってくれた料理を、別の誰かに作る。

それがなぜか、後ろめたかった。


「………」

馬鹿だな、私。

どうして自分で自分の首を絞めるようなことを。