「リビドーって、お店ではないの?」
「店じゃないっすね」
「お酒とか置いてるしBarっぽいのに」
「あれは完全に紫藤さんの趣味。リビドーはわかりやすく言うとアジト的な感じっすかね」
「アジト?」
「シトウの幹部の集まる場所っす」
「それでもってシドの家?」
私がそう言うと、野間は笑った。
「家ではないっすよ。紫藤さん、ちゃんと別でいいとこ住んでるんで」
「あそこで暮らしてるんだと思ってた」
「元は仮眠用であの部屋作ったんですけどね。本宅に帰るのが面倒みたいで、最近はあそこでよく寝泊りしてるっすね」
「……どうしてシドは、リビドーに私を呼ぶんだろう?」
「自宅よりどこより一番安全な場所だからっすよ」
「ふぅん……」
そうして野間と入口で別れ、私は一人。
音もなく静かなリビドーへと再び足を踏み入れた。
シドはお風呂上りで私を迎え、私もすぐにシャワーを借りた。
浴室から出れば、シドはすぐに私を求めた。
明日は休日。
『抱き潰す』の宣言は冗談でもなんでもなく、一切容赦がなかった。

