私は静かにキッチンに移動し、小さなお皿にチョコを盛り付けて戻った。
ユキが作業をするローテーブルの隅っこにコトリ、と置けば、ユキの手がピタリと止まる。
「何、これ」
「なんとなく、チョコはユキさんの集中アイテムなのかなと思って」
ユキが開店前のAnBarで仕事をしているとき。
静かにパソコンに向かうときは、サンコンにチョコを頼んでいたから。
あれば食べることもあるかも、と思って買っておいてよかった。
「お前って、変に気が利くよね」
変に、とは。
ユキはチョコをひとつ口に入れた。
「今日はずっとここでお仕事ですか?」
「その予定」
「私って、今日ここに居てもいいんですか?」
「なんで?」
「邪魔にならないかなと」
「邪魔にならないように居ればいいんじゃない?」
「………」
まぁ、そうなんですけど。
掃除をするから、どうしても物音は立ててしまうだろうし。


