余所者-よそもの-【 2 】



「とりあえず歩きましょう。あ、荷物持つっすよ」

「いや、いい……」

「どこか行く気でした?」

「銭湯に」

すると男は「なんだ」とバッグを奪い、ずんずんと歩き出した。


「ちょうどいいっすね!ウチ風呂あるんで。行きましょ」

「え、待って」

「歩きなんですけど、いいですよね?」

「あの」

「僕、今日お話したくてバイク置いてきちゃって。辛いならタクりますけど」


「……ストップ!」

「はい?」


突然声を上げた私に、男はきょとんと目を丸め、ついでに足を止めた。

そうそう。
ちょっと待ってほしい。


「あのね、まずどこに向かうか教えてくれる?」

「Re:bido(リビドー)へ」

「……どこそれ」

「あれ?聞いてません?」

「知らないけど」

すると男は「あー」と頭を片手で抱えた。


「そっか、あの人めっちゃ言葉足らずですもんね」

「あの人?」

「やっぱ来てよかった。僕が全力でサポートしますんで、安心してください」

「………」