余所者-よそもの-【 2 】


一向にユキが戻って来ないので、シャワーを止めて浴室を出た。
足だって冷たさに限界だった。

すると、玄関のロックが外れる音と共に、ユキが外から帰ってきた。

その手には小さなビニール袋が下げられている。


どこに行ってたんだろう?と、首を傾げると、ユキはこちらを目がけてズンズンと歩いてきた。


「……え、え、」

ユキはタックルしてくるみたいに私の身体を抱え上げると、そのままリビングのソファまで私を運び、座らせた。

ビニール袋から取り出されたのは、ヤケド用の白い軟膏チューブ。


ユキは黙ったまま、長い指先に軟膏を出すと、私の足首のヤケドに優しく塗りこんでいく。


「……っ、」

冷えた肌に薬が触れるとヒリッと痛くて、思わず小さな声を漏らすと、そこでやっとユキと真っ直ぐ目が合った。


「……軟膏、買ってきてくれたんですね。ありがとうございます」

「うん」

「あの、お腹空きましたよね」

「空いたけど……」

「すぐに作ります」

「足は?」

「立つとか歩くのは全然平気です!ほら!」


大丈夫!とアピールをすると、ユキは小さくため息を吐いて、やっといつも通りの気だるげな表情に戻った気がした。

よかった、もう怒ってなさそう。