余所者-よそもの-【 2 】



椅子に私を座らせ、シャワーのハンドルを一気に冷水に合わせると、勢いよく放水する。

それは慌てた様子で、頭上のフックに固定したまま水を出し始めたものだから、ユキだって服ごと濡れてしまっている。


「ドジ」

「すみません……」

ユキはシャワーの強い水圧が直接当たって痛まないように、手でシャワーヘッドを覆い、シャワーの勢いを抑えながら足首を冷やしてくれている。


「ユキさん、もういいですよ。自分でします」

「いい」

「冷たいですし」

「いいって」

「ユキさんも濡れてしまってますし」

「どうせ洗濯するのはかぁこだろ」

「そうですけど……風邪引いちゃいますよ」


私がそこまで言うと、ユキは苛立ったように、垂れた前髪の隙間から私を睨みつけた。


「あのさぁ」

「……はい」

「ちょっとは自分の心配したら?」


そうは言っても、完全に自分の不注意で。自業自得だし。

私は間近にあるユキの顔を見ていた。

伏せられたせいで際立つ、ユキの長いまつ毛。
眉間には、深い皺が寄っている。


「なんでだろう」

「何がですか?」

「俺、お前が自分を蔑ろにするのを見る度に、イラつくんだよね」

「それは……」

「俺をここまでイラつかせるのはお前くらいだよ」

「……すみません」