余所者-よそもの-【 2 】



「お前、いつが休みだ」

「日曜日だけど……」

「じゃあ土曜の夜は絶対来い。遠慮なく抱き潰す」


その言い草に「え」と固まると、シドは目尻を優しく下げた。


「冗談だ」

そう言って、シドは私の鼻先を指の背で撫でた。


「………」

ちっとも冗談に聞こえない。

そんな顔をすれば、シドはやっぱりいたずらな顔で笑う。


「土曜夜ここ泊まって、日曜そのままどっか出かけようぜ」


出かける?

シドと?


「どこに行くの?」

「考えとく」


ちょうどそこでシドのスマホが鳴った。

迎えが来たらしい。


「土曜は確定、それまではまた連絡する」

「わかった」


「連絡なしでここには来るなよ」

「……うん」


どうして?って聞きかけたけど、やめた。


きっと、シドの夜は忙しい。

私以外にも、女の人はたくさんいるんだと思う。


野間くんじゃないけど、私だって野暮じゃない。


「乙っす」

Re:bidoを出ると、迎えは野間のバイクだった。


多夜さんじゃなくてよかったって思いながら、私はAnBarへと帰った。