「お前、いつが休みだ」
「日曜日だけど……」
「じゃあ土曜の夜は絶対来い。遠慮なく抱き潰す」
その言い草に「え」と固まると、シドは目尻を優しく下げた。
「冗談だ」
そう言って、シドは私の鼻先を指の背で撫でた。
「………」
ちっとも冗談に聞こえない。
そんな顔をすれば、シドはやっぱりいたずらな顔で笑う。
「土曜夜ここ泊まって、日曜そのままどっか出かけようぜ」
出かける?
シドと?
「どこに行くの?」
「考えとく」
ちょうどそこでシドのスマホが鳴った。
迎えが来たらしい。
「土曜は確定、それまではまた連絡する」
「わかった」
「連絡なしでここには来るなよ」
「……うん」
どうして?って聞きかけたけど、やめた。
きっと、シドの夜は忙しい。
私以外にも、女の人はたくさんいるんだと思う。
野間くんじゃないけど、私だって野暮じゃない。
「乙っす」
Re:bidoを出ると、迎えは野間のバイクだった。
多夜さんじゃなくてよかったって思いながら、私はAnBarへと帰った。


