「私はまた、全部シドのせいにして逃げようとしてる」
シドが、私を求めるから。
シドは、私を逃がしてくれないから。
自分の意思なんて確かめなくても、私はシドに溺れていられるから。
「俺がそれを許してる」
「私は……許せない」
シドは私から静かに離れた。
上体を起こしながら、シャツを脱ぐ。
「馬鹿言うんじゃねぇよ」
真っ白なシャツが、床に捨てられた。
「お前は今、どこで生きてる」
……どこ?
「ここはシトウ。俺の造った、俺の世界」
「………」
「正しいも間違いも俺が決める。俺がルール」
シドは乱れた髪を片手で掻き上げ、私を見下ろす。
私は息を呑み、真っ白なシーツを握りしめた。
「お前の何もかも、この俺が許す」
「………」
「全部喰ってやるから、いい加減──…寄こせ」


