私はそのあと、一人で店を出た。 「送る」と言った野間を「タクシーに乗るから」と断って。 私は、すっかり朝日の昇った静かな街を、AnBarまで歩いて帰った。 手のひらの指輪が、朝日に照らされて淡く光った。 ――『ほんと?これ私に?』 ――『……だからって泣くなよ』 もしかしたらあれが、最後の涙だったのかもしれない。 ふいに、ユキの声が重なる。 ――『いつか、俺が泣かせてやる』 泣けない私に、 忘れられない私に。 愛と、罪悪感は。 一体、何が違うんだろう。