余所者-よそもの-【 2 】



「……なんで、連絡して来ねぇ」


シドの親指が、私の唇をなぞる。


「知ってんだろうが、俺の番号」


私の唇へと視線を落とすシドに、胸が苦しくなって目を逸らした。

けれど、大きな手に顎先を捉えられ、視線は絡み取られる。


「俺を見ろ」

もう、見てるよ……。


私は、シドの深い瞳に飲み込まれた。

ゆっくりとした口づけを交わす。

一度、二度、三度。
微かな音を鳴らすだけの、焦らすような軽いキス。


唇が離れると、シドは私を見つめたまま、ベッドの上へゆっくりと転がした。


「待って……シド」

目の前のシドの分厚い胸を押せば、両手首はあっけなくシーツに押し付けられた。


「俺を拒むな」

「そうじゃ……なくて」


じゃあ、なに?
私は、どうしたいの?

いやなの?
いやじゃないの?


「なんだ」

なんだろう。

少なくとも。


「嫌なの。自分のことが」


掠れた声を零すと、シドは今にも唇が触れそうな距離で「なにがだよ……」と囁き、私の髪をそっと撫でた。