余所者-よそもの-【 2 】



「お疲れ様でした」

「お疲れ様です」


私の働くclub AnBar.は、今日も営業を終えた。


退勤したサンコンを見送り、照明を落としていく。

無音の中、フロアをブルーに照らしていたライトを切ると、なんだか無性に寂しい気持ちになる。


「………」

お風呂に入ってさっさと眠ってしまおう。

銭湯の用意をバッグに詰め込み、AnBarを出る。


入口の鍵をかけて振り向くと、見知った人物が視界に入ってきた。


「乙っす」


細い路地の先で控えめに声を上げ、そのくせ、ブンブンと腕を振って合図を送ってくる男。

袖口や襟元から覗く刺青だらけの素肌と、狐みたいな細い目。


前にコンビニで出くわした……あの刺青男だ。

目が合ってすぐに、男はこちらへ駆け寄ってきた。


「……なんでここに?」

「お迎えに」


お迎え?


「なんの?」