「………」
「………」
部屋に入って、扉を閉めた。
シドはベッドの縁に腰掛けて、タバコを吸い始める。
私は扉の前に立ち尽くしたまま、動けない。
どうしよう。
何を話そう。
気になっていたことはある。
どうして、私を抱いたの?
かわいそうだと思ったから?
言いたいことだって、ある。
もう、私は大丈夫。
慰めてくれてありがとう。
それから。
あの日……シドを責めるようなことを言ってしまって、ごめんなさい。
「こっち来い」
結局。
シドが煙草を一本吸い終わるまで何も言えず、そこから一歩も動けなかった。
「………」
一歩、また一歩。
大して離れてもない距離を、ゆっくりと詰める。
「トロくせぇ」
せっかちなシドが、のろまな私の手をぐいっと引いた。


