「昨日の礼をさせてもらうぜぇ!」
誰かがそう言うや否や、俺たちは円になって包囲された。
「やっちまえ!」
その合図で十数人のイタチの群れが、一斉になって飛びかかってくる。
俺と瑞生は、どちらが何を言うでもなく、背中合わせになって激しく拳を振るった。
──バキッ!
まずは向かってきた一人を殴りつける。
その隙を狙って背後から詰め寄ってきた次のイタチを、瑞生がぶっ叩いた。
今度は瑞生の死角を別のイタチが狙う。
俺はソイツの鳩尾を蹴り、後方へ退けた。
不思議と、声を掛け合う必要もなかった。
俺は瑞生に背を預け。
瑞生は俺に背を預け。
押し寄せてくる敵の内、約半数をノした頃。
「……おドれらァァアッ!!止まれェェ!!」
突如、空気を爆発させたみたいに響いた、ドスの効いた声。
イタ校の連中のみならず、俺と瑞生も思わず手を止めた。


