余所者-よそもの-【 2 】



「……んでも、多夜さん」

「………」

「目的地は僕と同じっすよね?」

「Re:bidoにいる」

「ですよね」


そこで多夜の手がパッと離れた。

ドサリ、と地面に尻もちをつく。


「帰る。持っていけ」

「うっす。お疲れっした」


多夜は、野間の綺麗なお辞儀を背中に受け、無言で去っていく。

腰を折ったままの野間が、地面にへたり込む私を見て「ぷっ」と口元を押さえた。


「なに……笑ってるの」

「いや、ビビリすぎでしょ。知らない男に襲われそうになってたときよりも、すげー顔してたっすよ」

「怖いんだもん。多夜さん……」


野間は顔を上げて帽子をかぶり直すと、苦笑いを浮かべながら私に手を差し伸べた。


「あんま喋んないっすからね、あの人」

「うん……」

「慣れれば平気っすよ。多夜さんの頭の中は案外単純です」

「単純?」

「あの人を突き動かすのは紫藤さんだけ」


なにそれ。

多夜の行動の全部が、シドのためってこと?


「………」

だとすれば。
多夜のこれまでの言動は、ますます意味がわからない。