ある日の朝 いつもより騒がしい教室は ある噂で持ちきりになっていた “篠崎莉子と新垣雄平が付き合い始めたって” 皮肉にもそれは噂ではなく事実であり でもそれ以上に悲しむべき事実は それがきっかけで俺と莉子の親交が深くなったということ 雄平は俺の幼なじみで 俺と雄平が親しくしていたのを彼女は知っていたのだろう 雄平からこの事実を聞いたのは数時間後のことだった 告白したのは莉子からで 彼女は一年の時から雄平のことを思い続けていた まるで 莉子のことを想う 俺のように