思わず、自分でも驚く心底嫌悪の混じった声が漏れた。
私を怪物扱いし、
実験台に縛り付けた張本人が、
何を被害者ぶった顔で父親の真似事をしているのか。
反吐が出るし虫唾が走る。
しかし、所長はその私の拒絶すら楽しむように、
一歩、
また一歩と
優雅な足取りで近づいてくる。
「そんな顔をしないでくれ。さあ、大人しくおいで」
嘘でしょ。
「ふざけないで――ッ!!」
ガッ。
私は強引に押さえつけられ、
「ちょ、ま」
「何するの!??」
拒絶しようとした瞬間、
警備兵の無骨な指が容赦なく口内に突っ込まれた。
あが。
奥歯の隙間に指をねじ込まれ、顎の関節が外れるほどの力で抉り開けられる。
痛い、っていうか、吐きそう
同時に首筋のツボを強く圧迫され、
目の前が一瞬、真っ白に火花を散らした。
痛い、痛い、痛い痛い
隙だらけになった喉奥へ、
所長の手から、
冷たい小瓶の口が突っ込まれる。
嫌。飲みたくないのに、
口が、閉じれない
「ほら、お薬の時間だ。一滴も残さず、綺麗に飲むんだよ」
おかしい
嫌
来ないで
無理
不味い
死にたい
「げほっ、うぐ……っ、んぶ、っ!!」
一気に流れ込んできたのは、
焼けた泥のような、おぞましい苦味。
本能的な拒絶反応で吐き出そうとする。
なのに、すぐに手掌で口と鼻を完全に塞がれた。
空気が吸えない。
なんで....?
耳と尻尾が生えてるだけで
なんでこんな扱いを受けるの
苦しい
もう嫌
助けて
橋本くん
なんでか分からないのに
涙がボロボロ出てくる
酸素を求める喉が、パニックを起こしてヒーヒー言って勝手に上下する。
ごきゅり。
飲みたくなかった。
最悪の音を立てて、異物が食道を滑り落ちていった。
体内の「銀狼」の力が鉛の蓋をされたように消えていく。
「――うん、お利口だ」
拘束が、パッと解かれる。
私は床に転がり、激しく咳き込んだ。
「ゲホッ、」
指を口に突っ込んで吐き出そうとした。
何をしてでも絶対に吐き出したい。
涙と唾液で顔をぐしゃぐしゃにしながら、必死に胃の中のものを戻そうとする。
間に合わなかった。
背骨の芯を、ゾッとするような冷気が駆け抜けた。
いつもなら皮膚のすぐ下で、あんなにも温かく力強く脈打っていた、
地響きを起こす「あの力」の気配。
それが、まるで冷水を浴びせられた残り火のように、
ジュウ、
と嫌な音を立てて急速に縮んでいく。
嘘でしょ。嘘でしょ。
逃げれる確率が、低くなった。
私を怪物扱いし、
実験台に縛り付けた張本人が、
何を被害者ぶった顔で父親の真似事をしているのか。
反吐が出るし虫唾が走る。
しかし、所長はその私の拒絶すら楽しむように、
一歩、
また一歩と
優雅な足取りで近づいてくる。
「そんな顔をしないでくれ。さあ、大人しくおいで」
嘘でしょ。
「ふざけないで――ッ!!」
ガッ。
私は強引に押さえつけられ、
「ちょ、ま」
「何するの!??」
拒絶しようとした瞬間、
警備兵の無骨な指が容赦なく口内に突っ込まれた。
あが。
奥歯の隙間に指をねじ込まれ、顎の関節が外れるほどの力で抉り開けられる。
痛い、っていうか、吐きそう
同時に首筋のツボを強く圧迫され、
目の前が一瞬、真っ白に火花を散らした。
痛い、痛い、痛い痛い
隙だらけになった喉奥へ、
所長の手から、
冷たい小瓶の口が突っ込まれる。
嫌。飲みたくないのに、
口が、閉じれない
「ほら、お薬の時間だ。一滴も残さず、綺麗に飲むんだよ」
おかしい
嫌
来ないで
無理
不味い
死にたい
「げほっ、うぐ……っ、んぶ、っ!!」
一気に流れ込んできたのは、
焼けた泥のような、おぞましい苦味。
本能的な拒絶反応で吐き出そうとする。
なのに、すぐに手掌で口と鼻を完全に塞がれた。
空気が吸えない。
なんで....?
耳と尻尾が生えてるだけで
なんでこんな扱いを受けるの
苦しい
もう嫌
助けて
橋本くん
なんでか分からないのに
涙がボロボロ出てくる
酸素を求める喉が、パニックを起こしてヒーヒー言って勝手に上下する。
ごきゅり。
飲みたくなかった。
最悪の音を立てて、異物が食道を滑り落ちていった。
体内の「銀狼」の力が鉛の蓋をされたように消えていく。
「――うん、お利口だ」
拘束が、パッと解かれる。
私は床に転がり、激しく咳き込んだ。
「ゲホッ、」
指を口に突っ込んで吐き出そうとした。
何をしてでも絶対に吐き出したい。
涙と唾液で顔をぐしゃぐしゃにしながら、必死に胃の中のものを戻そうとする。
間に合わなかった。
背骨の芯を、ゾッとするような冷気が駆け抜けた。
いつもなら皮膚のすぐ下で、あんなにも温かく力強く脈打っていた、
地響きを起こす「あの力」の気配。
それが、まるで冷水を浴びせられた残り火のように、
ジュウ、
と嫌な音を立てて急速に縮んでいく。
嘘でしょ。嘘でしょ。
逃げれる確率が、低くなった。

