WANTED / Myth.

そして中心部へ出た瞬間、




「よく帰ってきてくれたね、羽衣ちゃん」



前方からあのにこやかな笑みを浮かべた所長が立っていた。



数年前、私を実験台に縛り付けて冷酷に見下ろしていたあの時と、何一つ変わらない声。




所長が、



あの時から、変わってない。



ということは、私が施設を壊して逃げた時から被検体を入れずに改装してたんだ。




「所長....」


できる限り睨みつけた。



所長はまるで、



学校から帰ってきた愛娘を温かく迎える父親のような笑顔のまま、



ゆっくりと私との距離を詰めてきた。



その細められた目の奥には、



私という『最高の実験素材』を手に入れたことへの、



狂気じみた歪んだ歓喜がぎらぎらと光っている。



目に見えるほどわかる。



「君が地響きを起こして逃げ出したあの日から、

 私はずっと悲しかったんだよ。だからね、この施設を君のためだけに、

 より完璧に作り直したんだ。今度の部屋は君がいくら怒って床を揺らしても、

 絶対に壊れないようにできている。もう二度とあんな乱暴な真似をして、

 私の元から逃げ出したりしなくていいからね」




意味がわからない。


「はぁ?」