わたしは悪役令嬢になった転生一度目、婚約破棄され、処断された。転生二度目、浮気され心も体も壊れた。相手側は自分が間違っていたと後で思う。でも間に合わない。転生三度目は、素敵な王太子殿下に溺愛されます。

 わたしの心の中に大量に流れ込んだ今までの自分の記憶。

 あまりにも大量の記憶が、一気に流れ込んできたので、体調はよくない。

 しかし、そんなことはいっていられなかった。

 今すぐにでもこれからの人生の方向性を決めなければ、待っているのは婚約破棄と処断だ。

 今日は、休日。

 予定はなかったので、わたしは今日一日中、部屋の中で、自分の記憶を整理するとともに、これからの人生の方向性について検討をし続けることにした。

 食事の内、平日はリディテーヌ一人でとることになっていた。

 したがって、リディテーヌは、お父様と継母、そして、オディナティーヌとは別々で食事をとるということになる。

 お父様たちとリディテーヌの予定が合わないという理由でそうなっていた。

 リディテーヌがそう申し出たのを、お父様が受け入れてくれたのだ。

 お父様と一緒の食事ができないのは、寂しい気持ちもある。

 ただ、一方で、継母とオディナティーヌと一緒に食事をしなくていいという点は、何よりも大きい。

 継母とオディナティーヌとの仲が良くないリディテーヌは、一緒に食事をするのが苦痛だったからだ。

 継母の方は、お父様の前では、

 「一緒に食事をするのが、家族というものでしょう。できるだけ毎日、あなたと一緒に食事をしたいわ」

 と言っていた。

 でも本心では、リディテーヌの申し出を喜んでいたはずだ。

 リディテーヌが、

 「時間が皆様と合わないのは申し訳ありませんから」

 と言うと、あっさりリディテーヌの申し出を受け入れたのだった。

 しかし、休日の朝食と夕食については、原則的にお父様と継母とオディナティーヌと一緒にとることになっていた。

 お父様は、

 「平日は一緒に食事ができて申し訳なく思う。休日は、家族全員で食事をしたい。一緒に食事をすることにより、家族の絆を深めたいと思っているのだ」

 と言った。

 リディテーヌは、お父様の気持ちは理解しようとしていた。

 そして、しばらくの間はお父様の言うことに従い、お父様と継母、そしてオディナティーヌと一緒に食事をとっていた。

 でも、わたしにとって、継母とオディナティーヌと一緒の食卓を囲むのは、ただ苦痛なだけではない。

 体の調子自体が悪くなることさえあった。

 目覚めた後、体の調子が少しでもよくない時は、一緒に食事をとった場合、体調の悪化に拍車がかかる。

 ただ、一人で食事をしていれば、自然と回復してくることがほとんどだった。

 こういう状況なので、リディテーヌは目覚めた後、少しでも体の調子が良くなければ、一緒での朝食は避けたいと思うようになっていた。

 そこで、リディテーヌは休日についても、お父様に一人で食事をしたいとと申し出るようになった。

 それに対し、お父様は、最初の内、

 「休日ぐらいは、少しぐらい体調が良くなくても、食事に参加してほしい。食事を家族で一緒にとることによって、お前の母親とオディナティーヌとお前の仲をわたしは良くしていきたいと思っているのだ」

 と言っていた。

 それでもリディテーヌは申し出をし続けた。

 その結果、お父様も仕方がなく、わたしの体調が良くない時は、無理をして参加をしなくてもいいというようになった。

 ただ、リディテーヌはお父様には、

 「継母とオディナティーヌと食事を一緒にとると、体調が悪化することが多い」

 ということは言わなかった。

 「体調が良くない日は、一人で食事をさせてください」

 という申し出だった。

 継母に心が傾いているお父様に、仲が良くないという話をしても、反発されるだけだと思ったからだ。