鮫風列伝〜天使から悪魔となった将女〜

鮫風輪廻の統治する城下町から二里離れた先の古城に鮫風要とその貴族全員が移り住む運びとなった。鮫風璃珈が古城を魔改造しだし、それを支えるための資金集めを姉である麗羅が稼いできたおかげもあり、鮫風璃珈の住む古城は輪廻よりも立派なものとなった。安土城の写鏡のような城。璃珈にとってここから鮫風家の古い文醜を変えるためのモチベーションをあげるひとつでしかない。ここから鮫風璃珈の物語が動き出したと言っても過言ではない。
私にとって主は今や輪廻様いいえ、輪廻なんかに引けを取らないほど素晴らしい統治を敷いている。
城下町の民「璃珈様のおかげで、これまで輪廻様の統治が行きと届いていなかった我々にも、ようやく暮らしが整うようになりました。ありがたや〜」
「璃珈様に置かれては、今やこの地の英雄のような存在ですわい。むしろここまで我々のような者にも手を差し伸べて、まるで家族のように接してくださる。」
そのような会話を農民や商人からの口から出てくる。
それまでほとんど手をつけられてこなかった古城とその城下町は、鮫風家のスラム街と言われるほど荒れていたのだ。
それを全て1つづつ解決して行ったのは他でもない、鮫風璃珈本人とそれを支えている家臣たちの助力のおかげである。
璃珈がまず最初にやったのは民を安心させるための『納税の取り決め』からだった。今までは収穫できた作物や、売上に応じて半分納めさせていたところを、璃珈は『全体の1割』と大きく宣言を出した。故にほぼ農民や商人からはリスクがほぼ無い状態で生活を送ることができる。そして璃珈は、『納税』は永久に上がることはない。とまで札を出して宣言した。城下町の民にとって城主が契約をする形をとったのは初めてである。いや、鮫風家全体でも初めての試みである。それが3ヶ月も続き城下町では栄えている。
その次にやったのは、城下町の全ての建物を無償で作り替えたこと。全部の建物が現代の建物に代わり、まるで都市のように賑わうようになった。他にも兵器開発の工場を勝手に作ってしまった民もいるが……
「あれって私のために、設立してくれたんだもんね。今更やめて欲しいなんて言ったら、皆の士気にも傷がつきかねないわね。」
璃珈は戦いたくて戦う当主ではない。しかし鮫風家は昔から戦闘部族。戦うのが好きな者が沢山いるのは間違いない。