Please let me hear your voice-君の声を聴かせてー

家に帰っても胸の奥の震えは止まらず、柚歩は手のひらに乗せた小さなペンダントを見つめた。
淡い光を宿した石は指先に触れるたびにほんの少し温かく、その温度が胸の奥の痛みと静かに混ざり合っていくようで、柚歩はそっと受け止めていた。

「……どうして、私なんかに」

声は出なかった。
けれど心の中で呟いた言葉は胸の奥に沈み、あの少年——名前も知らず、どこに住んでいるのかも知らないのに、あのときの言葉だけが離れず、喉に張りついていた痛みを少しだけ溶かしていった。

『綺麗な声だね』

その一言が胸に静かに落ちていき、柚歩はベッドの端に座り、ペンダントを胸に当てた。
涙がまた溢れ、理由なんてわからないのに胸の奥が少し温かくなり、その温度が空白をゆっくり満たしていくようだった。

そのときだった。
——光が、揺れた。

ペンダントの中心で淡い光がふっと灯り、一瞬だけだったのに“生きているように”揺れた。
柚歩は息を呑み、胸がきゅっと締めつけられ、涙だけが止まらなかった。